
2月7日に開幕される
に向けて、女性の選手はどんな準備をしているのでしょうか?多くの国では五輪のメダルに価値を付け、優秀な成績を収めた選手には多額の報酬を用意していたり、英雄のように扱われることもあります。そのため、結果を出すために薬物(ドーピング)に手を出す選手が多くいるそうです。しかし、女性ならではの悩みである「生理」を調整するために服用する「ピル」はどのような扱いになるのでしょうか?
ピルの服用はドーピング違反にならない
競技の前には必ずドーピング検査が行われますが、その際、ピルを事前に服用していたとしても検査に引っかかることはないとのことです。
ソチで行われる冬季オリンピック(五輪)の開催期間は2週間となっています。女性選手は競技と生理の期間が被ってしまうと、個人差によって影響度こそ違うものの、実力の全てを発揮できないというという不安があるのです。
11年4月から1ヶ月の期間をかけて、オリンピックの各競技の強化選手指定を受けた女性選手630人に対して調査を行った結果、月経が終了した直後または月経後数日間が最もパフォーマンスを発揮できると答えた選手が、合わせて482人という報告があります。
日本人選手のピル服用の現状とは?
諸外国では日本と比べ、ピルが生活に浸透しているため、競技に合わせて生理周期を調整するためにピルを服用している選手が多いのですが、日本人選手に調査をしたところ、日頃からピルによる生理周期の調整を行っている選手はわずか42人しかいませんでした。
これは、日本人のピルに対する知識不足によるものに起因するものが大きいとのことです。つまるところ、日本におけるスポーツ医学の遅れや指導者の女性人体構造学の勉強不足を露呈することに他なりません。
ピルを飲むメリット
今回はオリンピックに焦点を当て、ピルとドーピングの関係性について紹介しましたが、競技でパフォーマンスを向上させる用途以外でも、ピルを飲むメリットというのはたくさんあるので以下にまとめてみました。
- 月経困難症(月経痛)の軽減
- 血量の減少による貧血の改善
- 子宮内膜症の予防と改善
- 月経前症状(PMS)の軽減
- にきび、多毛などの改善
- 更年期症状、骨粗鬆症の予防
- 卵巣がんの予防
- 卵巣嚢腫の減少
- 子宮外妊娠の減少
副作用
反面、ピルを飲んでいることで起きる副作用というものもあります。
飲み始めの数日は吐き気や頭痛、身体のむくみ、乳房の痛みなど、妊娠初期のつわりに似た症状が出ることがあるそうです。また、不正出血が起こる事も。
しかしこれは、薬に身体が慣れていないために発症する一時的なもので、しっかりと用法用量を守って継続して飲んでいると症状はおさまるそうです。
副作用がないわけではないため、服用に対して慎重になるのは理解できますが、対してピルを飲むことによって享受できるメリットというものもたくさんあるので、これからはスポーツのフィールドでも積極的に活用していくべきではないでしょうか。
冬季オリンピックは終了しましたが、日本人の女性スポーツ選手が世界的にも注目されてきている昨今、女性特有の悩みや問題をしっかりと考えていく必要がありそうです。